睡眠の役割とは何か

睡眠の役割とは何か?

人はなぜ眠るのか、という根源的な質問に対して、たったひとつの確定した答えはありません。 現在わかっているだけでも、睡眠にはたくさんの役割があります。


休息

単純に考えて、一日の心身の疲れを癒すために眠る、という考え方が一般的です。 体と脳を休息させるために眠りは必要不可欠です。よく眠ることによって大脳は休息すると同時にその機能を 調整して、翌日朝から再び正常な指令を全身に送ることができます。睡眠が不足すると、大脳が疲労を回復できず、 感情のコントロールがきかなくなるなどの障害が出てきます。頭痛、全身のだるさ、集中力の欠如といった症状も出てきます。
睡眠中は体温が下がり血液の温度も下がります。この少し「冷たい」血液が脳の中を流れることにより 「頭が冷やされる」ことになり、それが脳の疲労回復に役立ちます。

しかし、睡眠中の脳の活動は決して完全な休息状態ではありません。一日のうちに吸収した膨大な情報を整理し、 必要なものと不要なものに分類し、必要なものについてはその情報を記憶として脳に記録しています。
睡眠中の脳は、 活動レベルがゼロになるほど完全な休息になることはなく、場合によっては体が活動している昼間の 脳よりも活動が活発なこともあります。
この分類・記録の作業が夢を見ることと関係していると言われています。夢を見ている比較的浅い眠り(レム睡眠)の時に、 記憶を脳に記録する作業をしていると考えられているのです。

成長ホルモン

寝る子は育つ、とよく言います。よく眠る子どもは大きく成長することを、 昔の人は経験的に知っていたようです。これにはしっかりとした科学的裏づけがあります。 人間は寝ている間に成長ホルモンを分泌します。成長ホルモンには細胞を再生・修復する新陳代謝の作用があり、 特に眠りに落ちてからの最初の3時間程度の間に集中的に分泌されます。
成長ホルモンは子どもが大きく成長するために必要ですが、実は子どもだけでなく大人にも必要なものです。 成長ホルモンが不足すると、体内に老廃物が溜まってしまい、血管が詰まったり肌や頭皮が新しく 生まれ変わらないなど様々な弊害が出てきます。
睡眠不足になると肌が荒れて化粧のりが悪くなるのは、多くの女性が経験から知っています。 質の高い睡眠をとることによって、たっぷりと成長ホルモンを分泌させて肌の新陳代謝を高めれば、 朝起きたときの肌の調子がまったく違います。眼の周りにクマができるのも、成長ホルモンの不足が原因です。

免疫

風邪を引いたら寝るのが一番だ、とよく言いますが、これは睡眠の目的のひとつを適格に表しています。 人間は睡眠中に免疫力が高まり、病気を直そうという自然の力が働きます。
風邪っぽいなと感じた時は、少し長めの睡眠をたっぷりととれば、免疫力と自然治癒力が高まって、朝には治ってしまうでしょう。 逆に言うと、睡眠不足の時は体の免疫力が下がっていますから、風邪の菌に対する抵抗力が弱っていて、風邪を引きやすくなります。

ストレス物質除去

眠っている間に脳内でつくられる睡眠物質は、神経細胞から発生する活性酸素を分解してくれます。 睡眠は神経細胞の機能を回復させると同時に、ストレスの原因ともなる有害物質を除去してくれるのです。